良い出来事、嫌な出来事が交差する中で、私たちは生きています。そして、ネット上には様々な情報が溢れ次に何が起こるのか、今後どの様なリスクがあるのか、ある程度推測することが可能です。推測できれば対処することも可能です。しかし、情報に疎く憶測で生きていると思わぬ事態に陥ることがあります。「メール便で信書を送り郵便法違反容疑で書類送検」がいい例です。

ニュースでも話題になっている「ヤマト運輸のクロネコメール便廃止」についてはご存知かと思います。
ヤマト運輸が「お客様が容疑者になるリスクを放置できない」としてメール便を廃止すると発表、様々なメディアが取上げ、多くの人が郵便法第76条を知ることになったのですが「信書の基準は?」といった議論が広がっています。

そこで、ビジネスプロデューサーのお話を思い出しました。

— ビジネスプロデューサーの教訓
私たちは、社会や会社というコミュニティに属する以上、規則に従う運命にあるといえます。
しかし、規則には、平和のためにある「良い規則」と限られた人たちの思惑によって作られた「間違った規則」、そして忘れてならないのが如何様にでも捉えることができる「曖昧な規則」があります。

曖昧な規則は、ITによって生まれた新市場や規制緩和によって開放された市場に多くあります。

ビジネスプロデューサーは、より一層曖昧な規則と睨めっこを繰り返し「盲点はどこにあるのか?」を知らねばなりません。盲点は、大きなチャンスにもなるし、大きなリスクにもなりますから。
—-

クロネコメール便廃止に関するニュースを観ていて、「信書が盲点だったんだ」と思いました。

つまり、「お客様が郵便法第76条を知らなかった、知っていても信書の基準が曖昧だったので、クロネコメール便(ヤマト運輸)にとっては、大きなビジネスチャンスになっていた。そして、お客様にとっては、大きなリスクになっていた。」ということになります。

盲点が大きなチャンス → ヤマト運輸
盲点が大きなリスク → お客様

となると、
▼クロネコメール便 廃止の理由の聞こえ方が違ってきます。
(ヤマト運輸発表記事より抜粋)
法違反の認識がないお客さまが容疑者になるリスクをこれ以上放置することは、当社の企業姿勢と社会的責任に反するものであり、このままの状況では、お客さまにとっての『安全で安心なサービスの利用環境』と『利便性』を当社の努力だけで持続的に両立することは困難であると判断し、クロネコメール便のサービスを廃止する決断に至りました。

—-

ビジネスプロデューサーに聞いてみました。

質問 : ヤマト運輸は、メール便をはじめた時からお客様に大きなリスクがあることを知っていたのでしょうか?

回答 : もちろん、知っていたと思う。ただ、お客様のリスクを甘く見ていたのと「法律が都合良く変わるかもしれない」といった憶測(信書規制の改革)があって取り組んできたことも多々あったのだろう、と思う。しかし、憶測が外れ、やり方を変えざるを得ない状況になったのでしょう。

質問 : では、憶測で取り組んだヤマト運輸の企業姿勢は間違っているのでは?

回答 : いや、「間違った」というより「大きな改革に臨んでいる」と私は捉えています。メール便の廃止発表後、メディアも注目し信書に対する様々な議論が庶民の中で起こっています。ある意味、「改革は進んでいる」という診方もあります。それにヤマト運輸は、メール便廃止と同時に代替サービスも発表していますから、手を替え品を替えといった対策を講じています。つまり、メール便の廃止によって信書に関するお客様のリスクが無くなる訳ではありません。ヤマト運輸 vs 日本郵便、この戦いはまだまだ続くでしょう。

質問 : じゃ、問題解決にならないのでしょうか?

回答 : そこが盲点じゃないでしょうか? そもそも問題になっているのは、ヤマト運輸の発表の中にあるように「法違反の認識がないお客様が罪に問われる」ことです。つまり、メール便というサービスにあるのではない。ゆえに、手を替え品を替えといった対策を講じることができるのだと思います。これがメール便そのものに問題があったら、対策を講じるどころの話ではなく他サービスにも大きな影響を及ぼす結果に至ると思います。

質問 : なるほど!「ビジネス上の盲点(気付いていないところ・曖昧な規則)には、手を替え品を替えといった対策をとることができる」ということですね?

回答 : はい、その通りです。既成概念の打破(斬新なアイデア)を強みとするビジネスプロデューサーであれば、大きな改革に臨むこともあるでしょう。その際は、手を替え品を替えといった賢さ(柔軟性)を持って問題解決というより問題を乗り越えるビジネススタイル(手法)を取るのが望ましいのではないでしょうか。

質問 : 手を替え品を替えるタイミングは?

回答 : チャンスとリスクのバランスを観て替えます。今回のヤマト運輸のメール便廃止と代替サービスの同時発表、そしてそれらの理由付け、ビジネスプロデューサーにとっても良い学びになります。

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本日の課題
盲点を知り、「手を替え品を替え」で問題を乗り越えましょう。そして、改革精神(挑戦心)を失わないようにしましょう。

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