昨日の課題は、「カタチを最初にイメージすると、なぜ思考スピードがアップするのか?」というものでした。

19世紀後半から20世紀前半を生きたアルバート・チボーデという、フランスを代表する批評家がいます。

同時代のフランスの詩人ポール・ヴァレリーが問題を核心に向かって深く掘りさげていくのに対し、チボーデは該博な知識を背景に広い視野から俯瞰する力があるといわれています。

チボーデは次のように語ります。

「ニセモノの小説家は、自分の生活体験を自己の精神の骨格にしたがってなぞるだけだが、ホンモノの小説家は人間の無限の可能性を描く。」

つまり、ほんものと称される人間は、自分が実際に体験はしなくとも、自己の体験としても可能であり得たような、数々の可能な現実をそこに探り求めて描く力があります。

個人的体験を普遍にする能力があるといってもいいでしょう。

書くということ、描くということ、つまり虚構するということは、自分のもつイメージを言葉に置き換える作業であるともいえます。

夏目漱石の門下生であった江藤淳は、「最初にイメージがあって、《ことば》はあとからやってくる。」と作家の創造過程について語ります。(『作家は行動する』)

それは、《ことば》にすることで、イメージが確かなものに成り、当初のイメージがよりダイナミックに変革=イメージ・チェンジになるということの喩えだといえましょう。

イマジネーションのはたらきとは、虚構・・・すなわち、未だ無いものをそこに在らしめ、逆に在るものを無からしめる営みということになります。

ビジネスのイメージとしては、それは、「理論的には所詮仮説」でしかありません。
しかし、文学では、自己の責任において、「これが現代だ」「これが現代を生きる人間の生きかただ」というふうに大胆に結論付けて、魂にぶつけてきます。

思考スピードがアップするということは、ある意味で、仮説を現実にする大胆な勝負をかけるということでもあります。

【本日の課題】
「個人的体験から大胆な勝負をかける仮説」を書き出してみましょう!

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